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TEGE TEGE BIYORI てげてげ日和

大自然に恵まれ、豊かな食、
魅力的な人が集まる南国・鹿児島—。
「てげてげ日和」では、
鹿児島生活10年目のライター・
やましたよしみが、
鹿児島の素敵な人・モノ・風景などを
ご紹介します。

2016.09.30

【第7回】鹿児島県民の暮らしと温泉との密接な関係。

温泉大国・鹿児島ーー。源泉総数では大分県に次いで全国2位を誇る。それがどれほどのものかと言うと、道を歩けばコンビニが目につくようにそこかしこに温泉がある、という具合いだ。一般的には温泉というと旅先で宿に泊まった際に、日ごろの疲れを癒すために入るものというイメージだろうか。少なからず、日常的に入るものではないだろう。

鹿児島生活6年目を迎えてすっかり鹿児島に馴染んできた私が、移住当初の驚きとともに、鹿児島の温泉事情について語っていきたい。鹿児島県民の暮らしと切っても切れない温泉とは…?

温泉は第2のお風呂!

今どき自宅にお風呂があるのはほとんどの場合、当たり前である。もちろん、それは鹿児島でも同じ。が、しかし、鹿児島県民は家にお風呂があるにもかかわらず、仕事が終わると近所の温泉へサッと寄っては入浴する。人によってはほぼ毎日温泉へ行く、ということも。まるで銭湯感覚! と驚くのだが、一見するとその温泉は銭湯の様相なのである。でも、お湯はしっかりとした温泉。源泉掛け流しということも珍しくない。なぜそのようなことが可能なのかといえば、源泉が多いことはもちろん、入浴料が安いから。鹿児島の温泉は安いところでは1回390円から入浴することができる。場所によってはリーズナブルに入浴できる回数券があったり、60歳以上が安くなったりするところも。

マイ温泉セットは必需品!

日常的に温泉に入浴する鹿児島県民。仕事帰りやお出かけの帰りに寄ることも多いため、シャンプーやタオルなどの“マイ温泉セット”を車に積んで常備している人もいる。多くは100円均一などで売っているカゴにボトルのシャンプーやボディソープ、スポンジやタオルなどをセットし、カゴごと浴場に持って行くのだ。この“マイ温泉セット”を見たとき、私は自分が他県民であることを実感した。そして、あるとき鹿児島の友人に、車に温泉セットを載せてることに驚いた旨を伝えたところ「普通入れないの?」と逆にびっくりされたことがある。それほどまでに鹿児島では“マイ温泉セット”が当たり前なのだ。

温泉は日常でもあり、アミューズメントでもある!

夫が久しぶりに鹿児島へ帰省した友人となにやら電話で待ち合わせの約束をしていた。「じゃあ○○温泉に○時ね」と電話を切る。まさかの温泉での待ち合わせである。このときは普段は行かない少し遠いところにある有名な温泉へ行き、友人と久々の再会を果たした。鹿児島では温泉がたくさんあるゆえに、仕事帰りならここ、家族と一緒ならここ、ものすごく疲れた日はここ、ちょっと気分を変えたい日はここ、とシーンによって温泉を使い分けることも一般的。泉質の違いや湯船の数、サウナや家族風呂、露天風呂の有無など、ひとくちに温泉といってもさまざまだ。だからこそ、温泉は日常であり、あるときはアミューズメント。ちなみに、友人から待ち合わせ時間を30分遅らせてと連絡があった夫は、家のお風呂に入ってから温泉へ出かけたのだった。どんだけお風呂好きなんだ!また、温泉街には蛇口をひねれば温泉が出る建売住宅なども存在する。これには本当に驚いた。まさに温泉が日常である。

温泉は社交場! 憩いの場!

鹿児島県民はお気に入りの温泉をもち、いくつかの温泉を使い分ける。それでも、どこに行ってもいるのが明らかなる常連さん。一見さんである私にその温泉のよさを教えてくれ、入浴方法を指南してくれるような人が必ずといっていいほどいるのだ。そしてまた次に会うと「あら、久しぶりね。元気だったね?」などと声をかけてくれることも。おばちゃん同士の会話では「最近○○さん見ないのよね」とか、「○○さんは近ごろ○○温泉へ行ってるらしいわよ」とか、温泉だけのお付き合いというものもある。さらに、これは女湯にかぎったことかもしれないが、私が入浴後にカラダにクリームを塗っていると「背中に塗ってあげようか」と手伝ってくれるおばちゃんに出会ったことも一度や二度ではない。これは鹿児島県民らしい“温かなおせっかいホスピタリティ”で大好きだ。

温泉と焼酎は人との距離を近づける!

鹿児島ではごく身近な温泉。それでも、人と同じお風呂に入ることに抵抗がある人も少なからずいる。私は他県から移住してきた身として、温泉を愛せる体質でつくづくよかったと思っている。これは鹿児島に来てから実感した「焼酎が飲める体質でよかった」と同義である。裸の付き合いとはまさにで、やっぱり一緒に温泉に入ると相手との距離が一歩近づくように感じられるからだ。最後に、ひとつ温泉豆知識(やました調べ)を記しておくとする。主にメガネユーザーの方へ。男湯では普段メガネをかけている人の多くがそのままかけて入ったり、頭の上にちょこんとのせたりしているのに対し、女湯ではメガネは外して脱衣所に置いて入るのが普通である。これは男女の脳のつくりの違いから、かな? この謎の真相を知っている方がいらっしゃったら、やましたまで! それでは、今宵もひとっ風呂浴びてくるとしよう。

やましたの自宅から最寄りの温泉街・川内高城温泉のマップ。山あいの町にはいくつもの温泉がところせましとひしめく。

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温泉旅館はもちろん、日帰り温泉、お土産物屋さんなどもある川内高城温泉の街並。ドラマの撮影現場にもなったそう。

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あの西郷隆盛も訪れたという川内高城温泉。鹿児島県内にはほかにも西郷さんが入浴したと言われている温泉が複数ある。

あの西郷隆盛も訪れたという川内高城温泉。鹿児島県内にはほかにも西郷さんが入浴したと言われている温泉が複数ある。

川内高城温泉に古くからある共同湯。こういった昔ながらの温泉で地元の人との会話を楽しむのも温泉場ならでは。

川内高城温泉に古くからある共同湯。こういった昔ながらの温泉で地元の人との会話を楽しむのも温泉場ならでは。

取材・執筆
やましたよしみ

フリーランスの編集者・ライター。鹿児島県薩摩川内市在住。浜松市出身。
大学卒業後、IT関連企業を経て、出版社、編集プロダクションに勤務。
主に女性向けフリーペーパーや実用書、育児情報誌などを制作。
2011年、東京から鹿児島へ移住。2012年よりフリーランスとして活動している。
得意分野は、食と暮らし、アート。二児の母でもある。
■ブログ http://yamashitayoshimi.blogspot.jp

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