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TEGE TEGE BIYORI てげてげ日和

大自然に恵まれ、豊かな食、
魅力的な人が集まる南国・鹿児島—。
「てげてげ日和」では、
鹿児島生活7年目のライター・
やましたよしみが、
鹿児島の素敵な人・モノ・風景などを
ご紹介します。

2017.01.06

【第10回】鹿児島を魅了するミュージシャン?ぢゃんさんにとっての音楽。


「音楽はすごい好き、という感覚はないなあ。もちろん嫌いじゃないことはわかってるんだけど。例えば、好きなのは夏に田んぼの草取りをしたあとに休憩しているときかな」というのは、鹿児島を拠点に活動するミュージシャンのぢゃんさん。彼は「自分がミュージシャンと言われても、“うん”とは言えない」とも話す。そんなぢゃんさんにとっての音楽、音楽活動とは?

ふぁーすとまん/ぢゃん(動画提供・野間太一/WALK INN STUDIO)

自宅の縁側に座るぢゃんさん。ライブ中とは別人のよう!

Iターンで福島から鹿児島へ移住

福島県出身のぢゃんさんは、2001年の春、京都から鹿児島へ移住してきた。京都では大学院で「顕微鏡で細胞ばかり見ていた」という。その後、畑仕事をしながら鍼灸師として開業していたが、そこに鹿児島の専門学校から講師を探していると声がかかった。縁もゆかりもない鹿児島の地。専門学校を見学するために初めて訪れた鹿児島でぢゃんさんが目にしたのは、青い海に青い空、南国の木々に噴煙をあげる桜島ーー、「なんだここは! と、たまげたよね(笑)」。鹿児島県民にとっては当たり前の光景も、県外出身者には衝撃以外の何ものでもない。

鹿児島の地図を広げ、錦江湾と東シナ海の真ん中にある町、伊集院を住処に決めたぢゃんさん。中学校時代の同級生でもある奥様の文恵さんと、猫の茶吉、犬のごま太郎、ヤギのわく、それからニワトリたちと暮らす伊集院の古民家を、私は勝手に“伊集院のパワースポット”と呼んでいる。森の木漏れ日と、生き生きとした植物と、ぢゃんさん一家の暮らしの息づかいが、どこか非日常的でホッと穏やかな気持ちにさせてくれるのだ。

奥様の文恵さんが家のあちこちに温もりのある飾り付けをしている。

赤ちゃんのころから大切に育てられているヤギのわくちゃん。

こちらも家族の一員、ごま太郎くんを愛でるぢゃんさん。

鹿児島で音楽活動をしている人、音楽が好きな人、その多くがぢゃんさんの影響を受けている、といっても過言ではない。ぢゃんさんのミュージシャンとしてのフィールドは、野外フェスやライブハウスでのワンマンライブはもちろん、カフェ、バー、公園やトラックの上の特設ステージなど、とても広い。「声をかけてくれる人がいてライブに出られる。ライブ中のことは、ばっちり入るとあまり覚えていなかったりするんだけど、幸せな時間だったなという感触が残るんだよ。だからライブは自分にとってのごほうびみたいなものかな」とぢゃんさんは話す。彼の音楽を説明するのに歌声や歌詞、曲がいい、などと書くのはおかしな気がする。私はぢゃんさんのライブを目の当たりにして何も感じない人を知らない。それほどまでにぢゃんさんの音楽にはガツンと聴く人の心を打ち抜く。そしてそのメッセージは、心を動かし、意識や感覚、価値観、人によっては暮らしまでもを変えてしまうほどに強い。

メッセージは、まったくない

「曲はいきなり来る。離島へ行ったときや車を運転しているときに、ふと映像の圧縮データのようなものが送られてくる。それは早回しの映像で、風景や色があって、後ろで微かに音が流れてるんだよ。だから歌詞と曲は同時にできるんだよね」と教えてくれたぢゃんさん。その映像として見えているものを歌詞に起こし、BGMのように流れている音をメロディーとして紡いだものが彼の音楽なのだ。“映像が送られてくる”というのは「感情を揺する何かがあって、それが少しずつ蓄積して爆発するような感覚」だそう。私たち聴き手はぢゃんさんの音楽から大いなるメッセージを感じ、それぞれに受け取っているが、彼自身には「メッセージを伝える、届けるっていうのはまったくない」らしい。

ヤイサマ/ぢゃん(動画提供・臥蛇島プロジェクト)

目に見えないものを音楽に、映画に

今後の展望を尋ねると「映画が撮りたい」とぢゃんさん。「映画ってたくさんの表現の集合体だと思うんだよ。それに何度も撮影し直せるから本当にいいものを残せるでしょう? ただ、撮り方を知らないし、センスがない(笑)。けれど、いつか映画を撮ってみたいんだよね」と少年のようなキラキラとした眼差しで語った。いま音楽として表現しているものをいつかは映画に、と考えているぢゃんさんの周りには彼を慕い、リスペクトしているクリエイターがたくさんいる。その一人ひとりの顔が浮かび、“ああ、これは本当に映画ができるな”と思った。ぢゃんさんにそれを伝えると照れくさそうに笑った。そして「あとは、ふーちゃん(奥様の愛称)の喫茶店のオープンも」とつけ加える。取材当日、偶然にも自宅の古民家での飲食店の営業許可がおりた。「やったー! これでいつでもカフェができるね!」と喜び合うふたり。愛や情熱や思いやりや、目に見えないものを自身が音楽になり、歌になって表現するのがぢゃんさんである。「音楽はすごい好きというわけではない」なんて言うけれど、ミュージシャン・ぢゃんさんだけに届く宝物をこれからも“音楽”として聴かせて続けて欲しい。

愛妻・ふーちゃんこと文恵さんと。理想の夫婦、ここにあり!

キミの部屋で/ぢゃん(動画提供・臥蛇島プロジェクト)

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取材・執筆
やましたよしみ

フリーランスの編集者・ライター。鹿児島県薩摩川内市在住。浜松市出身。
大学卒業後、IT関連企業を経て、出版社、編集プロダクションに勤務。
主に女性向けフリーペーパーや実用書、育児情報誌などを制作。
2011年、東京から鹿児島へ移住。2012年よりフリーランスとして活動している。
得意分野は、食と暮らし、アート。一児の母でもある。
■ブログ http://yamashitayoshimi.blogspot.jp

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