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TEGE TEGE BIYORI てげてげ日和

大自然に恵まれ、豊かな食、
魅力的な人が集まる南国・鹿児島—。
「てげてげ日和」では、
鹿児島生活8年目のライター・
やましたよしみが、
鹿児島の素敵な人・モノ・風景などを
ご紹介します。

2019.03.05

【第23回】ありがとう、そして「助かったよ」が仕事の真髄。便利屋・リサイクルキャラバンの泰尊さん。


情に厚い、義理堅い、仕事熱心、フットワークが軽い、愛嬌がある、愛妻家、子煩悩、ヴァイブス、よく寝る、すぐ寝る、気づいたら寝ている…、おっと彼のことを表すワードを綴っていたつもりがだんだんと悪口になってきた。(失礼!)今回のてげてげ日和にご登場いただくのは、“基本的になんでもやります”がキャッチフレーズの街の便利屋さん「リサイクルキャラバン」の泰尊(たいそん)さん。便利屋さんの仕事とは、一体どのようなものなのか、はじまりから今後のことまで全貌をまるっと語っていただいた。その語り口は、熱くもよどみなく、ラッパーでもある彼らしいものであった。

「マンガみたいなことがしたい!」

「軒下の野良猫に困っていて、それをつかまえてくれ」というのが一番おもしろかった仕事だという。「その猫がなかなかつかまらなくて、軒下から逃げ出して。庭を探していると別の子猫を見つけたんだよね。そうしたら、お客さんが“かわいい! この子を飼う。泰尊さん、どうもありがとう!”と言って…(笑)」。軒下の野良猫はそのままに、子猫と引き合わせたことで報酬をいただいて仕事は終了したのだそう。意外にもほっこりするエピソードから、彼の話は始まった。

18歳で青春18切符を手にして以来、日本各地で仕事をしたり、世界中を旅したり、そうして培われた技術やコミュニケーション力や、個性際立つ感性が、2014年、彼を便利屋さんいう仕事に導いた。「マンガみたいなことがしたいなっていうのがあった」という泰尊さん。職人にはなれなくとも、できることがある。そして、根底にあるのは「人と接するのが好き」ということ。バイクを売って得た10万円で軽トラックを購入し、「リサイクルキャラバンを始めたとき、“見つけたな”と思った。便利屋は天職だと思っているし、今後も一生食えると思っている」と話す。

便利屋として、ラッパーとしての、生き方、在り方。

その仕事内容は幅広い。建物の解体から、遺品整理、塗装、草刈り、エアコン掃除、ハウスクリーニング、よろず相談まで、ありとあらゆる仕事を引き受ける。それも、「ほかの業者さんなら代金をいただく作業も、できることなら“せっかくだから”サービスでしたり、安くしたりしている」と言い、その料金はかなりリーズナブルだ「ありがとう、そして“助かったよ”と言ってもらえることが喜び。払ってもらったお金以上のものを得て欲しいんですよね」という泰尊さん。彼は便利屋さんと並行してラッパーとして音楽活動も行っている。「ラッパーだからリアリティを求められているんですよね。ステージを降りた途端に言われたことだけやっているっていうのは嫌で。だから、自分で便利屋をやることにした。けれど、この仕事はお金のためだけでもないし、誰かのためだけでもない。人生は自分だけの人生じゃないし、自分だけ楽しいだけじゃ続かないと思う。きっとHIP HOPに出合えていなかったらこうして独立していなかったと思うんですよね」。その言葉に彼の生き方、在り方の片鱗がうかがえるーー。

自室で取材を受けてくださった泰尊さん。

泰尊さんは、自身が落ち込んでいたとき、一本の電話で「お孫さんのためにブランコをつくって欲しいという依頼」を受けた。初めてのブランコづくり。一から勉強し安全面に配慮したブランコをつくった。最後にお孫さんの好きな青色にブランコを塗って完成したとき、依頼主のおばあさんはものすごく喜んだという。「男手がなかったので、自分に頼んでくれたんですね。本当に助かったと思ってもらえてよかったし、いただいた“ありがとう”という言葉以上に、自分が感謝の気持ちをもった。その感情が大事なんです」と泰尊さんは語った。

ときには「電話一本で依頼を受けて仕事をして、報酬をいただいてハイ終わりという仕事もある」、けれども、毎年手伝っているとあるギャラリーでは「展示物を運搬するだけじゃなくて、展示について意見を求められることも。文化に触れられる瞬間が好きですね」と言い、その振り幅は大きい。「時代が変わってこれまで家庭でやっていたことも、やる人がいなくなって便利屋に依頼するようになった。あるとき、人に言われたんです。“君はもっと自覚した方がいい。人に感謝される仕事をしてるんだから。それはものすごく重要な仕事”なんだって…」。

今もまだ旅の途中。この先の旅にあるものとは?

最後に今後の展開についてうかがうと、「今は解体など“壊す仕事”をしているけれど、これからはもっと創造の提案をしたい」という。そして彼は「イベントを企画したり、空間をつくったり、何かをより良くするスパイスでありたいし、暮らしを彩る足しになりたい」と続けた。さらに、取材を終えて車を走らせていると、彼からの電話が鳴る。「リサイクルキャラバンはひとりじゃできないんです。支えてくれる妻や娘の存在は大きい。妻はいつも身体のケアをしてくれているし、俺のことを信じてくれている。強心臓でもある(笑)。それから妻のご両親も。車の整備工場を営んでいることもあり、トラックを見つけてくれたり、整備や修理をしてくれたり、とても感謝しています。あと、何十人といる助っ人には本当に助けられています」と、電話口で感謝の言葉をていねいに語った。

「あとは、店も絶対にやりたい。っていうかやります!」と宣言。また、3月10日(日)には彼のライフワークでもある音楽イベント『Tabi no Tochu』が開催されるほか、4月には待望の第二子の誕生も控えている。10代の終わりから「自由だけじゃダメなんじゃないか」と違和感を覚えながら、「違う景色を見たい」と旅を続けていた泰尊さんは「今も旅の途中なんです」という。この春、彼の目に映る新しい景色がどのようなものか、これからもその旅をそっと眺めていたい。

愛車の前にて、臨月の奈緒子さんと在ちゃんと。

▼リサイクルキャラバン

TEL 090-1923-7233(代表:泰尊/カミアライソ)

不要品回収、遺品整理、解体、リフォーム、塗装、草刈り、剪定作業など、基本的に何でもやります。ご相談・お見積もりは無料。鹿児島県内外・昼夜問いません。もちろん秘密は厳守いたします。女性スタッフも在籍。まずはお気軽にお電話ください。
※4月中旬は、第二子誕生予定につき約2週間ほど育児休暇取得予定ですが、お困りのことがございましたらお電話にてお問い合わせくださいませ。


▼Tabi no Tochu 第什五夜~See the Light & Night~

2019年3月10日(日)
OPEN 14:00~CLOSE 21:00
fee ¥2000/couple ¥3000/中学生以下無料
@Cafe aka’aka/鹿児島県日置市東市来伊作田6640-2
※売り上げの一部を東日本大震災により被災した街へ届けます。

イベント詳細はFacebookページをチェック!
https://www.facebook.com/events/328988187823425/

取材・執筆
やましたよしみフリーランスの編集者・ライター。鹿児島県薩摩川内市在住。浜松市出身。
大学卒業後、IT関連企業を経て、出版社、編集プロダクションに勤務。
主に女性向けフリーペーパーや実用書、育児情報誌などを制作。
2011年、東京から鹿児島へ移住。2012年よりフリーランスとして活動している。
得意分野は、食と暮らし、アート。二児の母でもある。
■ブログ http://yamashitayoshimi.blogspot.jp

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