2021.06.01
第71回 小さな水力発電所の作り方⑧
水力事業の事業化の決定についてのつづきです。
一つの水力発電所を創っていくにはいろんな条件を並行してクリアしなければいけません。
何か一つでもうまくいかないと発電所はできません。
パズルのピースが全部そろう必要があるのです。
ですので計画から発電所の完成まで5年前後かかってしまうことが多いです。
下ごしらえが終わって、銀行さんへの説明を根気強くしてお金の段取りが付けば、
やっと発電所の建設工事に取り掛かれます。
今ちょうどさつま町の泊野地区で水力発電所の建設をしていますが、
気が遠くなるような下準備があって、工事ができています。
思い返してみると本当に色々ありました。
他社さんが同じ地点で計画されていたり、
系統連系するための工事負担金の見積もりが1億円近くで頂いたり、
微妙な人情の問題もありました。
こうした課題一つ一つに向き合って丹精に熟成させて水力発電所は出来上がっていきます。(つづく)
写真:泊野川水力発電所工事現場での打ち合わせ
─文:新エネルギー推進チーム 及川