2024.03.01
第104回 住民による小水力発電所
小川沿いの棚田が線上に続く山間部の小さな集落に、その水力発電所はありました。
兵庫県宍粟市の千種町黒土地区で昨年の2023年から発電を開始している黒土川小水力発電所。
住民主体で設立した黒土川小水力発電合同会社が運営しています。
豊かな森と水に恵まれた、少子高齢化が進むこの地区には大正時代に稼働していた水力発電所がありました。
地域の資源を地域活性化に繋げたいという地域住民の強い想いがあったからこそ、
長期にわたる調査や会社設立、資金調達などなどの障害を乗り越え事業化を成し遂げられたのだと思います。
昨年の2月の工事期間中に訪れた際には、寒い中住民メンバーが
取水地点で喧々諤々の議論をしている貴重な場に居合わせました。
最大流量0.1㎥/s、有効落差50.1m、最大出力約39.6kWのこの水力発電所は
小さい発電所ではありますが、県や市の支援を受けて
当初の目的である、森林保全や地域活性化、環境学習に繋げていけそうだとのことでした。
地域の資源を活用し、自分たちの手で地域の環境や地域を持続可能にしていく
このような取り組みが広がっていくことに期待しています。
写真:黒土川小水力発電所と地元住民ら(合同会社は令和5年度気候変動アクション環境大臣表彰受賞)
─文:新エネルギー推進チーム 及川