太陽ガス 暮らしのインフォメーション

RESEARCH INSTITUTE OF ELECTRIC POWER INDUSTRY 未来電機研究所

太陽ガスの地域電力事業は、
電気を売るだけではありません。
鹿児島の自然や気候、
ライフスタイルに合っ
た電気ってなんだろう?
少しづつですが、進んでいく研究成果や
プロジェクトをご紹介します。

2020.01.01

第54回 人と自然に優しいエネルギーの作り方③



このFIT法・自然エネルギーには課題もたくさんあります。木質バイオマスの燃料として、むしろ環境破壊をするような椰子柄を使ったものだとか、大規模ソーラー発電所を不適切な場所に設置し、地域住民に被害を及ぼしているも、風力の低周波による健康被害、渡り鳥などが風車の羽に衝突死してしまう「バードストライク」などです。このような課題はFIT法自体(主要な枠組み)の問題というよりは、FIT法に付随する規則や管理体制、また自然エネルギーの地域外資本による開発の問題が主です。例えば買取価格。太陽光は2012年当時40円/kWhでした。この頃のドイツの価格が13.5㌣/kWh(10MW以上 約14.9円)なので、約2.7倍ほどです。本来FITは大企業が大もうけするような買取価格に設定するべきではなく、薄利ではあるが安定した事業ができるようにするものです。“大もうけ”する原資が使用者の電気代なのですから当たり前です。買取価格が『高過ぎた』せいで乱開発に繋がったと私は思っています。また設備認定(当時)を国が「ほいほい」出し過ぎたのも問題です。自然環境や住環境を重視したり、地域外の大資本ではなく、地域内で事業に取り組んで、地域にメリットがあるような自然エネルギーが出来るように、国が本気で支援すべきだったと思います。一般の市民が事業化をしようかと思い立ったときには、情報力のある大資本がメガソーラーをたくさん作っていたので、系統の空き容量がなくなってしまっていたのです。さて、ドイツでは2000年にFITが始まり、私がドイツにいた2011年までに多くの市民や農家、市民グループが再生可能エネルギー事業をしていました。その大きな理由として、「儲かるから」ということがありました。もちろん「環境にやさしい」ということと相まって、いいこと(環境にやさしい取り組み)をして、しかも経済的にもうれしいという再生可能エネルギー事業が一般市民レベルで拡大していきました。私も現地を訪ね、発電所を運営している農家さんなどにお話を伺いました。これを現場で肌で感じていましたので、これを日本でもしようと思ったのです。

─文:新エネルギー推進チーム 及川

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