2019.07.01
第48回 大草原の青い空2
初めての海外で、いきなり体調を崩してしまいました。数十メートル歩くとふらふらして道端に座り込むほどで、旅行保険のカードに書かれていた番号になんとか電話をし、病院にもいきました。体調は最悪だったのですが、見るもの全てが新鮮で、周りは中国人だらけですので聞こえてくる言葉も日本にいるときとは全く違っていました。そんな異世界にワクワクし、どこか不思議な感覚でした。体調が落ち着き、モンゴルのビザを北京で取得し、電車でいざモンゴルへ向かいました。モンゴルはまた中国とは別世界。書かれている文字が違うし、人の容姿、言葉、食べ物が違います。どちらかというとモンゴル人のほうが日本人と似ているなぁと感じましたし、何度もモンゴル人に道を尋ねられました。モンゴルで、毎日のように食べていたのが「ホーショール」という中に羊の肉とたまねぎが入った薄い揚げパンです。中の肉汁がたまりません。ご飯と一緒にそのホーショールを6個くらい食べます。 モンゴル国内の移動は8人乗りくらいのロシア製のバンです。驚くことになのか、むしろ合理的なことに舗装した道路は都市中心部以外にはなく、草原をひたすら走り続けます。途中のゲルで「道」、いや、「方向」を尋ねて車を走らせます。車が故障して数時間立ち往生したことも有りました。「モンゴル時間」と旅をしている日本人が言っていましたが、ゆとりがあるというのか「時間」をあまり気にしないのには驚きでした。モンゴルの地方の村で行われたナーダムというお祭りに行きました。10歳くらいのこどもが馬にまたがって競争をするのですが、青空の下の草原を、必死にしがみついて馬を走らせる姿になぜだかものすごく感動しました。大自然の中の、こどもの力みなぎる姿が私の中の何かを刺激したのでしょう。この旅の目的であった「青空」はどうだったかというと、3度ほど達成することが出来ました。大草原に横たわり、雲も木も視界に入らない青空だけを見ることが出来ました。青空の下、なだらかな丘はあるもののひたすら続く大草原にぽつんと寝そべっているときのことを今思い出すと、自分という存在が自然の中に溶け込んでいるような感覚だったのかもしれません。。