2018.02.05
第31回 水力奮闘記⑨
水車が来た。ドイツからはるばる船に揺られてやってきました。想像していたより少し小ぶりで、黄色がまたかわいらしい。この子が来るのにどれだけ物語りがあったことか。水車が届いて一安心、といきたい所でしたが、次の課題君がやってきました。工期が延びそうだというのです。もともとの予定では水車が納品されたらすぐに仮置きして、水圧管を施工していこう、ということになっていました。それが水車を設置する基礎ができていないのです。発電事業をするひおき地域エネルギー㈱も、設計会社も土木工事会社もみんな水力発電所に取り組むのは初めてなものですから、どうしても予期しないことがあり延びてしまっていました。無理やり工期を早めてもらうより、60年先の世代にも引き継いでいける水力発電所を目指して、「課題点があれば、みんなで知恵を出し合いましょう」と、関係者で決意を新たにしました。現場監督のKさんは最近お子さんが生まれ、工事に子育てにとがんばってやってくれています。私ももうすぐ3歳になる娘がいますが、この子供たちに胸を張って「お父さんたちがこの水力発電所を作ったんだよ」と言える日が来るのはもう少しです。
─文:新エネルギー推進チーム 及川