2015.07.28
第2回〜再生可能エネルギーってなに?〜
Photo by Gunnar Ries CC BY-SA 2.0
■再生可能エネルギーの国ドイツ
ベンツなどの高級車、ソーセージにビールなど、職人気質にあふれたもの作りの国としても
日本になじみ深い国ドイツ。サッカーが強いことでも有名ですね!
でも、実はそれだけではなくエコ&エネルギー先進国としても世界トップクラスなんです。
例えば前回ご紹介した「電力全面自由化」も、ドイツは日本より15年以上前の1998年からスタートし、
いまや電力会社の数は1000を超えます。そんなドイツで消費される電力のうち、
太陽光や風力、水力などの「再生可能エネルギー」は全体の約25%。
日本では全体の約5%なので、その差は実に約5倍!(2012年時点)
しかもその約半分が、企業ではなく個人と農家による発電だというからオドロキですね!
■野菜だけじゃない?!電気も地産地消する村フェルトハイム
私たちに一番身近な「再生可能エネルギー」と言えば太陽光でしょうか。
日本でもソーラーパネルを設置した住宅を目にすることが増えましたよね。
人口約150人のドイツ東部の小さな村フェルトハイムは、
2010年にドイツで初めて再生可能エネルギーによる電力の自給自足100%に成功しました。
豚や牛の糞尿、地元の農家が作っているトウモロコシ、
穀物などを発酵させて生まれるガスによる「バイオガス」発電や、
木屑で電気と熱を作り出す「バイオマス」発電は、あまり馴染みがないかもしれませんが、
農業と関係の深い発電方法なので、いつか日本でも電力自給自足100%の農村がうまれるかも?!
■そもそも再生可能じゃないエネルギーってなんだろう?
ドイツが力を入れている「再生可能エネルギー」、なんとなく環境にやさしそうなことはわかるでしょうか?
でも、そもそも再生可能じゃないエネルギーっていったいなんでしょう。
例えば火力発電や原子力発電。これらの発電所はどうやって電気を作っているかわかりますか?
そう、石油や石炭、原子力ならウランなど、なにかエネルギーのもとになる原料が必要なんです。
車が移動すればその分ガソリンが減るのと同じように、これらの発電所も、
電気をつくれば引き換えになにか原料を消費するのです。
こうした原料は地球の資源で量に限りがあり、数十年から百年程度で枯渇するとも言われています。
このような使い切り型のエネルギー源は「枯渇性エネルギー」と呼ばれます。
■エネルギーの再生がコミュニティの再生にも貢献
視察で村を訪れる人が増え、最近は首相夫人の
安倍昭恵さんが訪れたことでも話題のフェルトハイム。
エネルギーが循環し始めると、人も循環し始めるのかもしれませんね。