2019.01.07
第42回 レジ袋と水力発電所
レジ袋の有料化のニュースを聞いたとき、思い浮かんだのは永吉川水力発電所のことでした。大雨が降ると取水口のスクリーンにありとあらゆるものが張り付いていきます(写真)。その中でも一番厄介なのが、このビニール袋です。取水口にぺたっと付いてしまうと水が入ってこないからです。 小さい粒状のプラスチックが地球上にどんどん増えていき、それが海を汚染しています。魚がそれを食べてしまうのだそうです。レジ袋や洗顔料に使われるマイクロビーズなどが海に流れ出てしまっているからです。驚くことに、もしくは当然のこととして、そのマイクロプラスチックが人体内でも発見されました。「自ら出したゴミが夕食の皿の上に戻ってきた」とある生態学者が表現しているのは言い得て妙ですが、なんとも悲しくなってしまいます。私の足元にはたくさんの人工物が流れてきます。これが海に流れ出てウミガメさんが食べてしまわないようにとせっせせっせと集めています。海に出てしまう前に私のところに来てくれてありがとうと想いながらビニールを引き揚げています。
─文:新エネルギー推進チーム 及川