2017.01.01
第18回 〜ドイツの小水力おじさん〜
見覚えのある校舎横の小屋。ここはドイツのフライブルク市にあるフライブルク大学の一角。私がドイツ留学中に通いなれたまさにその校舎の横に来ています。運命的な何かを感じている中、背の高いドイツ人のワーグナーさんは隠してある鍵をおもむろに取り出して、小水力発電所の扉の鍵を開けてくれました。 林業・環境学部の校舎横にあるこの小水力発電所はフライブルク市を流れる工業用水路に付けられた22kWの発電所です。今回商談に来た水車メーカーのクロスフロー水車が導入されていて、日置市に持ってこようとしているもとの同じ形の水車です。この発電所はワーグナーさんのものではありませんが、彼は個人で数台の小水力発電所を所有・運営しています。私の名刺にあるらせん水車も彼の発電所です。ワーグナーさんは言います。「小水力発電所がこんな形で私たちにもできるんだ、ということを見せて、伝えていくことが私の役目だ。小さい発電所だけど、自分たちの手でエネルギーを創っていけるんだ。」ともとの、2メートル以上あるかと思われる60歳くらいのワーグナーさんは、生き生きとした表情で語ってくれました。
文:新エネルギー推進チーム 及川