2024.08.01
第8回 花火
画像:桜島を背景に打ち上がる勇壮な錦江湾の花火大会の様子
色とりどりの光の大輪に人々が一斉に心奪われる夏の風物詩、花火。
映像中心の現代において、本物の炎が生み出す迫力と情緒は
ますます貴重なものとなっています。
花火は紀元前の中国で、連絡手段の狼煙(のろし)から進化し、
その後、ヨーロッパや日本に伝わり独自の発展を遂げました。
日本の戦国時代には、大量の火薬を用いた争いが続く一方で、
花火見物も広く楽しまれていたそうです。
やがて江戸時代に入り、火薬が戦争に使われなくなってから、
花火の芸術的進化は加速しました。
今日も、世界中で平和と戦争の追いかけっこが続く中、
「炎」はそのどちらの場面でも象徴的な存在であり続けています。
夏の夜の花火のように、「炎」がますます人々の心を豊かにし、
生活を彩るものとして大切にされていくことを祈ります。
画像:花火の色は、火薬に含まれる金属の「炎色反応」によってつくられる