2018.10.15
第39回 合掌造りの家の中で
合掌造りの民家の中に入り、20畳位の大きな部屋に通されました。そこにはおじいちゃんとおばあちゃんが数人と、一画にはこの古民家と対照的な、何やらハイテク機械が置かれています。ここは富山県南砺市にある小瀬という山村。世界遺産の菅沼集落を抜け、庄川の先にあるなんだか懐かしいにおいのするところです。こんな山奥に、と言ったら怒られるかも知れませんが、水力発電所がありました。事業をするのはこの地域に住む住民。ほとんど銀行融資で事業費をまかなったそうですが、それでも数億円の事業ですから、『確信』なのか『信念』のようなものがあったのでしょう。いったいどうしてここで水力発電事業をする気になったのか不思議に思ったので、聞いてみました。出資者の一人で発電所を管理されている方が「うちの親父がここで水力発電所を創りたいとずっと言ってたんだよねぇ」と答えてくれました。豊富な水が川を流れる山中、合掌造りの家の中で、取水口に設置されたカメラの様子を見ながら遠隔操作で排砂ゲートの操作をしている姿が目に焼きついています。
─文:新エネルギー推進チーム 及川