2024.02.01
第103回 COP28②
2023年は温暖化を体でいやというほど実感した年ではなかったでしょうか?
国連のグテーレス事務総長は「温暖化の時代は終わり、“地球沸騰化”の時代が到来した」と言及し、
この“沸騰化”という言葉が多用されました。
2023年の日本の平均気温は、過去30年の平年値より1.29℃高く、
これまでの最高だった平年+0.65℃を大幅に超えて1898年の統計開始以来最も高くなりました。
そんな中、昨年の年末に産油国のアラブ首長国連邦のドバイで
COP28(第28回国連気候変動枠組条約締約国会議)が開催されました。
「化石燃料」に関する合意文書は毎回議論の焦点になるのですが、
交渉の結果、当初案の化石燃料の「段階的廃止」という文言は消えてしまい
「脱却を進める」という曖昧な表現で合意されました。
これまでの「削減」よりは前進した感はありますが、沸騰化のこの時代には生ぬるい表現になってしまいました。
温暖化対策には「気候正義」、つまり先進国の歴史的排出責任や損害を被っている
グローバルサウスへの支援が求められていますが、
COP28では「損失と損害」基金の運用について合意されたことは大きな成果だったと思います。
出典:気象庁HPより編集
─文:新エネルギー推進チーム 及川