2023.12.01
第101回 ネイチャーポジティブ③
二十数年ぶりに北の大地へ行ってきました。
学生時代にいた北海道の10月はやはり寒く、連日の「飲み」のため体調を崩して鹿児島に帰ってきました。
九州にはもはやクマはいませんが、北海道にはヒグマがいます。
ツキノワグマよりひと回り大型で、立ち上がったら2mくらいになるとのこと。
20代のころヒグマが生息する知床に友人たちとトレッキングとキャンプをした折、
夜中に物音がすると不安でたまりませんでした。
そのクマが人口200万人ほどの札幌にも出没するというから驚きです。
今年は特にクマの餌であるドングリなどが不作で全国的にクマが市街地でも多く目撃されています。
水力発電の見学ツアーバスの中で、山登りが好きでクマに何度もあったことがあるという男性が
「一度人間を襲ったクマは、またやってきてしまうから殺してしまうほかないと思う」と言っていました※1。
九州には大型の動物はイノシシくらいですから、想像しにくいのですが、
対策も講じず、ただ単に「街に出てきたクマを殺せ」というのはあまりにかわいそう※2。
ニホンオオカミや二ホンカワウソなどは日本から絶滅してしまった種ですが、
レッドリストに掲載されているクマには同じ道はたどらせてはいけません。
※1-そもそもクマは臆病な生き物で、人間を襲うようなクマはごくごくまれなようです。
※2-北海道熊研究会会報第91号(2019年8月17日)を参考
─文:新エネルギー推進チーム 及川