2021.08.01
海を見に行く
「愛犬生活録」は、今回で完結編となります。
弊社社長とキュウちゃんの心温まる最終話をお楽しみください!
もう何日も雨が降り続き、僕とキュウは窓から雨の景色を眺めていました。
どこからかシルヴィ・バルタンの「悲しき雨音」が流れてきて、僕たちにメランコリーな時間が流れます。
キュウが突然「海を見に行こうよ」と言いました。
「そうだね、黄昏てても仕方ないね」と僕は答えました。
家を出て、海まで続く長い長い坂道をぼくたちは歩き始めます。
お互いに体力が落ちて、はぁはぁと息を切らしながら歩きました。
どんなにつらくても、僕たちは決して立ち止まることなく歩き続けたのです。
最後の長い坂を超えた時、大きな蒼い海が目の前に広がりました。
僕たちは、何だか胸がいっぱいになって少し泣きました。
「これからだね・・・」とキュウがつぶやき、
「そうだね、これからまた始まるね・・・」と僕は答えました。
太陽が海に沈む前、最も美しい景色が、これからまた始まろうとしていたのです。
「愛犬生活録」は、今月で終了します。
長い間ご愛読いただきありがとうございました。