2019.11.01
第52回 人と自然に優しいエネルギーの作り方①
私が今どうして「人と自然に優しい」に夢中になっているかを、前回までの数回で書いてきました。今回はその「人と自然に優しい」エネルギーをもう少し具体的にお話ししていこうと思います。 市民共同発電所という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一般の市民が共同でお金を出しあって創る発電所のことです。私たち市民が、自分たちの望むエネルギーを増やすために、『自ら』お金を出して太陽光発電所や風力発電所を創ります。日本では、2001年に北海道で「はまかぜ」ちゃんが初めての市民風車として誕生して以来、多くの市民風力発電所や太陽光発電所が設置されてきました。はまかぜちゃん(1000kW風車)の建設費用2億円の約8割を市民出資で賄っているというから驚きです。初めてづくしでさぞや大変だったろうと察しがつきます。鹿児島でもかごしま市民環境会議さんが保育園や幼稚園の屋根に市民による太陽光発電所を8箇所設置しています。 大きく状況が変わったのが2011年に施行されたFIT制度です。再生可能エネルギーによる電気を固定価格で10年~20年間買い取ってもらえるというもので、その年の福島の原発事故によるエネルギー問題に対する多くの人の意識の変化と相まって日本各地で太陽光の市民共同発電所が出来上がりました。たくさんの人が、「危険な」エネルギーではなく、「やさしい」ものを切望したのだと思います。
写真:はまかぜちゃん
12月号へ続く
─文:新エネルギー推進チーム 及川