2019.10.01
第51回 大草原の青い空4
写真:カンボジア
バックパックの旅から日本に帰ると、私の同級生たちは就職活動をしていました
。完全に乗り遅れていましたが、私が選んだのはグリーンピースという環境NGOでした。選んだといっても就職させてもらったのではなく、東京のグリーンピースでのボランティアです。その一環で、アイルランドでグリーンピースのレインボーウォーリアに乗組み、日本からイギリスに送られる核燃料の輸送に反対をする活動に参加しました。アピール活動が得意のグリーンピースの活動を体験させてもらい、自分は小さくても形を作っていくことに関わりたいなと考えました。そのためには先ずは環境先進国のドイツで勉強しようと、2006年にドイツにわたり、黒い森で有名なフライブルク市の大学で勉強しながら、野鳥保護の手伝いをしたり、日本人の環境保護グループÖko-FreiWillig(エコフライヴィリッヒ)という団体を作ったりしました。 そうこうして大学の卒論を書いていた図書館で、東日本大震災と原発事故の一報を受け取り、その動画に釘付けになりました。東北のこの惨劇を見て、留学していた友人たちと同じように、「日本のこと」、「自分のこと」として捉えました。日本の外にいましたのでなおさらそう感じたのだろうと思います。福島の飯館村のこども達がフライブルクに来た際に、お手伝いもさせてもらいました。様々な想いが渦巻く中、「人と自然に優しいエネルギー社会を作って行きたい」という想いを強く持ちました。そうして太陽ガスで今私は自然エネルギーの担当をさせてもらい、特に水力発電の事業化を進めているのです。調査から発電開始まで4、5年はかかってしまいますので、なかなか形が出来上がらないことに欲求不満がたまりますが、これからも「人と自然に優しい」エネルギーを生み出すために好きな川での仕事を楽しんでいこうと思います。
写真:中国砂漠